兵庫県丹波市春日町野上野の稲荷神社で3月6日、豊作や家内安全を願う「初午まつり」が行われた。同神社奉賛会(山本輝雄会長、29人)が、伝統のまゆだんごを作るなど準備、運営にあたり、参拝者をもてなした。うどんやぜんざいの振る舞いもあり、火を囲んで和やかに談笑する姿が見られた。
まゆだんごは米粉をむして作ったもので、色粉で赤、黄色に着色したものも。白を含めた3色のだんごをツツジの枝に刺し、花が咲いたようにほこらを彩った。養蚕が盛んだったころの名残といい、昔は子どもたちが喜んで持ち帰ったという。
神事を行った阿蛇岡神社の藤田謦司宮司によると、稲荷神社は商売繁盛の神様で知られるが、「稲がなる」の意からもともとは豊作を願う神様だった。京都の伏見稲荷では2月に初午まつりが行われるが、この辺りでは旧暦の3月に行われるところが多いという。
山本会長は、「健康や豊作はもちろんのこと、何とか景気が上向く一年になってくれれば」と話していた。