内閣府が7月13日、全国各地の原発から30圏内の自治体に対して、今年度内にゼリー状で、乳幼児向けの安定ヨウ素剤を配備すると発表したことを受け、30圏外ながら、独自の計画で丸薬の安定ヨウ素剤の事前配布を行っている兵庫県篠山市の酒井隆明市長は、来年度以降、国の動向を見ながら乳幼児向けの製品を購入し、事前配布を進めたい意向を明らかにした。酒井市長は、「これまでは乳幼児向けの製品がなかったため、導入できていなかったが、あるのならば導入するのが当然のこと。来年度以降、購入できるようにしていきたい」と話している。
安定ヨウ素剤は原発事故により、放射性物質の一つで甲状腺がんの原因になるとされる「放射性ヨウ素」が飛来した際に、前もって服用しておくことでリスクを低減できるとされている。
乳幼児向けの安定ヨウ素剤は、富山市の日医工株式会社が国から依頼を受けて開発。ゼリー状のイチゴ風味で、ミルクやお湯にも溶け、新生児でも飲める。これまでからある錠剤と同様の効果、保存期間(3年)で、飲み込む力が弱くなった高齢者なども服用できるという。