兵庫県篠山市宮ノ前の小豆むつ子さん(66)宅の庭に咲くフジバカマに、日本で唯一、渡り鳥のように長距離移動をすることで知られる大型のチョウ「アサギマダラ」が飛来。名前の由来にもなった薄い浅葱色(青緑色)をした、まだら紋様の羽をひらひらさせながら花から花へ飛び交い、蜜を吸っていた。
植物画家の小豆さん。作品のモチーフに用いるため、庭には数多くの山野草や園芸種の草木を植えている。一昨年に篠山に移住。以前に住んでいた稲美町でもアサギマダラが好むフジバカマを庭に植え、呼び込んでいた。「篠山にもやって来るかなあ」と淡い期待を持ってフジバカマを植えていた。
10月4日、ついにその姿を現した。「ようやくやって来てくれた。しかも一度に2匹も」と喜び、「長い渡りの途中に我が家に立ち寄ってくれてうれしい。“旅人”をもてなす気持ちは人も虫も一緒。たくさん蜜を吸って栄養補給をして長旅に備えて」と目を細めていた。