兵庫県丹波市青垣町今出の熊野神社で11月3日、丹波市無形文化財の「はだか祭り」が行われた。腰にさらしをまき、白のパンツと足袋に身を包んだ裸衆が、体をぶつけ合うなど独特の所作を行い、健康長寿などを祝った。
裸になることで、「老いも若きも同じ目線・立場で神様の前に出る」「元気な体を神様に見せ、健康でいられるお礼をする」「武器を持たず、危害を加える存在ではないことを示す」などの意味があるという。
小学校低学年から80歳代まで約50人の裸衆が参加。今出公民館前の川で身を清めたあと、「ヨイサ」「オイサ」と掛け声を発しながら、同神社の舞堂に駆け込んだ。早く到着すると、後から来る裸衆と舞堂の入り口で体をぶつけ合う独特の所作を見せた。
このあと、舞堂の中で胴上げをしたり、本堂への石段を駆けのぼって胴上げ。これを7回半繰り返し、回数を重ねるごとに声量も上がった。最後は、御幣をつけた厄除けのサカキの枝を奪い合い、クライマックスを迎えた。
今年の裸衆の最高齢・足立辰雄さん(81)=同町山垣=は、「祭りに参加することで、毎年元気でいられる。健康のもとです」と笑っていた。