工場緑化を積極的に推進したとして、ゴルフボールなどを製造する「ダンロップスポーツ市島工場」(兵庫県丹波市市島町梶原、浅川直己工場長)が、「緑化優良工場等経済産業大臣表彰」を受賞した。今年度は全国で3工場が受賞し、県内工場では20年ぶりの受賞。敷地内の緑地の維持管理を外部委託せず社員らが行ったり、地域のNPO法人などと連携し、希少生物の保護・育成などに取り組んでいることなどが評価された。
同工場が完成した20年前から、敷地内の緑地の維持管理を専属で行う「緑化班」(5人)をつくり、緑化を推進。敷地面積の約70%に当たる緑地を管理している。
2007年からは、希少種・オオムラサキを飼育しようと、丹波の森公苑からアドバイスを受け、幼虫やエサとなるエノキを譲り受けた。11年からは、自社で飼育サイクルを確立。以来、近くのこども園児を招き、ケージ内でオオムラサキを観察してもらう機会をつくっている。年間、約100匹が羽化しているという。
今年からは、県版レッドデータブック絶滅危惧Aランクの「ホトケドジョウ」の保護・育成にも取り組んでいる。敷地内に15平方メートルほどのビオトープを設け、市内の団体「丹波地域のホトケドジョウを守る会」と連携。近くの山水を引き込み、水質調査を行った上で、3匹の飼育を始めた。