藤本林業所(兵庫県篠山市池上、藤本清仁社長)は、木の表面に節があったり、穴(抜け節)が空いていたり、虫が食った跡のある部材を使った幼児用のいすを販売している。通常なら欠陥材料として除けられる部材をあえて“「藤林小学校」の個性的な子ども”と表現。このいすを見た人に、その個性を評価してもらおうと作成した「通知表」を添えている。藤本社長(54)は、「ハネものではなくて、一つしかない個性。愛着につながり、大切に使ってもらえるとうれしい」と話している。5月3―7日、篠山チルドレンズミュージアム(同市小田中)で、このいすの展示会が開かれる。
篠山産のヒノキを使用。座面は約30センチ四方で、高さは座面までが約30センチ、背もたれを含め48センチ。所々に節や穴といった個性的な“クラスメート”の存在が目立つ。通知表では、それらを「科目」とし、なぜ節や穴ができたのかを枝打ちや製材、組み立て作業といった工程と合わせて解説。見た人が評価を入れる空欄や所見を書き込む欄を設けている。