丹波焼作家をはじめ、多くの芸術家が暮らす兵庫県篠山市今田町―。一方で、人口減に伴う空き家も増加していることから、利用可能な空き家や土地を探し出し、そこに芸術家を呼び込んで地域の活性化を図ろうと、市民有志が「丹波篠山こんだ芸術村推進協議会」を立ち上げ、プロジェクトをスタートさせた。会員らは、「創作活動をする人にとって今田は最適な地域。成功すれば人口減に歯止めがかけられるし、新しい地域のつくり方の一つになれば」と意気込んでいる。
協議会は今田町内の3人と市内の3人、メンバーと親交のある大阪の会社代表ら3人で構成する。
プロジェクトは、今田町内で空き家などを持つ人を募ってリスト化していく京阪神の芸術家団体や芸術系大学の卒業生らを中心に、創作活動の場として今田を提案する―が両輪。空き家の提供については、協議会に不動産業を営むメンバーもいることから、賃貸や売買などの相談に応じる。
今田町への移住を希望する芸術家が出た場合、同協議会が物件はもちろん、地元自治会との仲介なども含めたマッチングに取り組む。
来年度中に移住した芸術家で「丹波篠山こんだ芸術村」を“開村”したい考え。篠山市商工会今田商工会館(同市今田町今田)を“公民館”として活用し、協議会事務所も置くほか、“村民”が集うサロン的な場所や作品の展示会場としても利用するという。