篠山市は4月17日、市名を「丹波篠山市」に変更する市名変更問題に関し、市名を変更した場合の経済波及効果額を約28億7600万円とする結果を含む調査報告書を発表した。また、今後10年間で黒大豆をはじめとする特産物に付随する「丹波篠山」という地域ブランドが失われると仮定した場合の経済的損失額は約23億3000万円と試算し、市名変更によって損失を抑制できると分析。2つの合計で52億円超の効果が出るとし、各種調査結果も踏まえ、市名変更が市民の利益、未来のまちづくりにつながるとして、「変更に向けて検討を進める」との方針を明確に打ち出した。
論点整理やブランドについては市職員で構成するプロジェクトチームがまとめ、経済波及効果などは市が業務を委託した日本統計センター(北九州市)が調査した。
経済波及効果の調査は、インターネットを使い、篠山市と丹波市以外の兵庫県、大阪府、京都府、東京23区、名古屋市、福岡市の各地から20歳以上の男女1000人、計6000人を対象とし、▽篠山市、丹波市のイメージ▽「丹波篠山」の認識▽篠山市への訪問頻度▽訪れた際の項目別消費金額(食事や土産物、施設入館料など)▽市名変更した場合の変化(訪問頻度、消費金額の増減など)―などを問うた。
経済効果については、これまでに訪問した人が篠山市で消費した金額をもとに、市名変更後の行動変化による消費増減率を掛けたもの=約42億8339万円これまで訪問したことがなく、市名変更によって新たに訪問する意向を持つ人が消費する金額を予測したもの=約42億8474万円―を合算し、消費増加額を約85億6814万円と試算した。
この額に、今後、実際に篠山市を訪れる可能性が高い人を絞り込んだ、イメージ調査に基づく数値(22・7%)を掛け、現実的な消費の増加額は約19億4500万円と算出した。