兵庫県立人と自然の博物館(同県三田市)は来年1月8日―2月末、2015年に同県丹波市山南町上滝の丹波竜化石発見現場付近で見つかった卵化石の発掘調査を再開する。
密集状態での卵化石発見は世界的稀少
同町上久下地域自治協議会が主催した同年10月19―22日の試掘調査で、卵化石5点や卵殻片などが見つかった後、採集されずにコンクリートで保護されている。卵化石は鳥類か、鳥類に近い獣脚類恐竜とみられている。
また、16年9月、同博物館研究員らがその近くで15年と同種類の動物のものとみられる卵化石4点を、15年と同じ白亜紀前期(約1億1000万年前)の地層で見つけ、採集した。各年で見つかった卵化石とも、すぐ近くに複数の卵化石が見つかったことから、集団営巣地があった可能性があるという。密集状態で見つかった卵化石の発見は国内ではほかに例がなく、世界的にもまれだという。
今回の調査では、コンクリート部分約2平方メートルと周辺の14平方メートルを発掘調査する。
卵化石を研究している名古屋大学博物館の田中康平研究員(32)は「より完全な卵化石や巣化石、骨化石、集団営巣地の発見が期待される。今後の調査、研究で新種かどうかや、恐竜類から鳥類への繁殖方法の変遷を理解できるかもしれない」と話している。