尺八の国内最大流派 「都山流尺八楽会」 (本部・京都市) の准師範検定試験に、 小学生で初めて合格。 大人でも難関の試験をみごと突破し、 最年少の准師範になった。 「孝星 (こうせい)」 という竹号 (尺八奏者としての名前) を持つ。 祖父は尺八で最高位の免状を持つ、 福知山市の加賀山菖山さん。
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「去年から准師範検定の受験年齢制限がなくなり、 小学生でも検定を受けることができるようになりました。 准師範の検定は、 3科目の学科試験と5科目の実技試験です。 実技の方は自信があったけど、 学科試験には尺八の歴史を答える科目があり、 年代や古い漢字を覚えるのが大変でした」 「本を買って、 夏休み中もずっと勉強していました。 今月初めに岡山県で検定を受けて、 20人の受験者のなかで2位の成績で合格できました。 ギリギリ合格かなと思っていたので、 すごくうれしかったです」 「おじいちゃんが先生をしているので、 小さなころから尺八は身近にありました。 でもはじめは、 尺八ではなく琴を習っていました。 尺八を始めたのは、 小学4年生の時にプロ尺八奏者の永廣孝山先生の演奏を聴いたのがきっかけ。 クラシックやラテンの曲を尺八で演奏されているのを見て、 『こんな風にも吹けるんだ』 と、 やってみたくなりました」 「今は週1回、 大阪府豊中市の永廣先生の教室に通っています。 それ以外のときは、 おじいちゃんと練習したり、 毎日2時間ほどは尺八に触れています。 准師範に合格してから3年たつと、 師範の検定試験が受けられるようになります。 今度はトップで合格するのを目標にがんばります。 将来はプロの演奏家になって、 日本の楽器、 尺八を世界に広めていきたい」
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『首振り三年』 といわれるほど、 テクニックを身につけるのが難しい尺八を、 努力を積み重ね習得してきた。 はきはきとした受け答えから、 この道への真しな思いが伝わってくる。 日本古来の楽器の若き担い手の活躍を、 今後も期待したい。 市島町北奥。 鴨庄小学校6年生。 12歳。 (P)