「夢こんだ」 の初代社長に就任 大上恭平さん

2003.08.10
たんばのひと

 篠山市が今田町で建設を進める 「今田地区農業公園・こんだ薬師温泉施設」 (ぬくもりの郷) を運営する第3セクター 「株式会社夢こんだ」 の初代社長に就任した。 同社は9月から今田町商工会館内に仮事務所を設け、 来春の施設オープンに向けて準備を進める。


  「先日ポンプ交換に伴って温泉の再試験をしたところ、 湧出量、 成分ともにこれまでの数字を大きく上回る結果が出ました。 これを生かして屋内の温泉施設は、 一般的な循環式ではなく、 かけ流し式にします。 全国でもかけ流し式にしているところは少ないですし、 衛生面からもPRできると思います」   「第3セクターは失敗が多いと批判されています。 失敗の原因は、 経営に対する甘え。 しかし、 夢こんだは甘い考えを持たず、 競争意識を持ってしっかりとした経営を行います。 初年度から赤字を出さず、 わずかでも黒字にすることが目標。 たとえ赤字が出たとしても、 市の財政から補てんするようなことはありません。 2年目から軌道に乗せるための基盤作りに取り組みたい」   「お客さんに来てもらうには、 いくら良い温泉がわいても、 立派な施設があっても、 それだけでは上手くいかない。 満足してもらう 『もてなしの心』 を持たなければ、 お客さんは来てくれず、 リピーターにもなりません。 『ただものを売るだけでなく、 心を添えて売る』 ことが大切。 精神面での社員教育を徹底したい」   「今田町の温泉計画は、 私が今田町長だった時代に取り組み始めたもの。 ある種の運命を感じています。 天から命を受けたと心得、 ここが近畿で名の知られたものになるよう、 特色ある温泉にしたい。 周囲に豊かな自然や観光スポットも多く、 都市部からの交通も考えれば、 それは実現可能だと自信があります」

 今田町議、 同町長を経て、 篠山市合併後は助役を務めるなど、 その長年の経験に対する周囲からの期待は高い。 市助役退任の際には、 余生をゆっくり過ごしたいと話していたが、 その思いに反して当分ゆっくりできる時間はなさそうだ。 篠山市今田町下立杭。 69歳。 (Z)

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