氷上郡認定農業者連絡協議会長 徳田義一さん

2003.04.17
たんばのひと

 郡内の認定農業者62人で2月に発足した連絡協議会の会長に就任。 営農内容は稲作、 酪農、 花木とさまざま。 これまで品目ごとの各町間のつながりはあったが、 農業全体の発展を視野に入れた大規模農業者の組織はなかった。 国の方針のもと、 担い手のリーダー組織として期待される。


 「稲作経営者で作る郡土地利用型農業研究会の組織が母体となって設立しました。 会員相互の情報交換や交流会、 経営改善や技術向上のための勉強会などを開いていきます。 これまで各町単位での認定農業者組織はありましたが、 運営は役場任せでした。 新組織は会費を集めて自分たちで運営するもので、 農業者としての自立を考えながら、 地域の農地を守っていくという気概でいます」   「現在もっとも深刻な農業問題は後継者不足。 農地も徐々に減ってきています。 しかし就職難の時代になり、 一昔前と比べると農業に魅力を感じる人も増えてきています。 自分の子どもを後継者にするのは難しい時代になっており、 興味のある人をいかに引き込むかが解決策になると思います」   「農機具類の発達により、 農業は昔のように大変な仕事ではなくなりましたが、 体と自由時間が縛られるため、 ある程度以上の収入が得られなければ割に合いません。 また他の仕事と同じように余暇が取れることも求められています。 安定収入を得られる方法を考え、 将来的には地域の農業法人化も考えていかなければならないでしょう」   「合併して市になれば、 役所、 農協、 普及センターなどが一体になって、 農業のことなら何でも相談できる支援センターを設けることが検討されています。 氷上郡は県下でも有数の食料生産地。 米の食味評価も高いし、 各町ごとに特産品もあります。 今後はこれらの特産を中心に伸ばしていくことが必要だと思います」

 約40年間シイタケ栽培を中心にしていたが、 輸入自由化の波に押され、 5年ほど前に稲作一本に。 青年団長、 PTA会長、 JC理事長などを務め、 地域のボランティア活動に積極的に取り組んできた実績も生かし、 郡の農業をリードしてほしい。 柏原町母坪。 64歳。 (J)

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