ロードサービスなどを手がける兵庫県丹波市春日町の岩崎クレーン(岩崎哲男社長)が、軽トラックより車幅が狭く、車高が低い「ミニ・クローラクレーン」を導入した。従来の小型レッカー車では救出できなかった悪条件の所にも対応しようというもの。「手に負えない、困った、という現場で事故車救援作業の切り札にしたい」と話している。
ロードサービスに使用「まずない」
古河ユニック社製。軽自動車が進入する所なら入れるほか、キャタピラのため、未舗装、ぬかるみなど不整地で強みを発揮する。高さ制限がある所にも入っていける。反面、スピードは時速3キロと遅く、台車で現場近くまで運ぶ。
5段ブームで、2・95トンまで吊れる。停車したまま巻き取るウインチも3・62トンで28メートルまで対応。ウインチで引っ張り出してクレーンで吊る。同社が所有する小型レッカー車よりコンパクトサイズながら、巻き取る力も吊る力も強いという。
岩崎社長によると、同型クレーンは工場の機械の据え付けなどに使われるもので、「ロードサービス用に使っている業者はまずいない。今のところ、最も小型の機材だろう」という。
四輪駆動で林道から脱輪し転落した、狭い道で雪に閉ざされて出られなくなったといったケースを想定。これまでは小型のバックフォーなどを使っていたが、引っ張ることはできても吊れない上、荷がかかり過ぎて重機が傷むといったことがあったという。
岩崎社長は、「年に何度、出動要請があるかは分からないが、今まで助けられなかった所に助けに行ける喜びがある。出番がないにこしたことはないが、何かあったら、何としても助けたい」と思いを語った。