第91回選抜高校野球大会(23日開幕、甲子園)に出場する大阪代表、履正社のエース左腕・清水大成君(3年)が、いよいよ憧れのマウンドに立つ。「甲子園出場ではなく、甲子園での優勝を視野にやって来た。チームの最高成績はセンバツ準優勝。歴代最高の優勝をめざす」と力を込めた。履正社は初日第3試合で星稜(石川)と対戦する。前評判の高い強豪をねじ伏せることができるか―。
兵庫県丹波市出身。176センチ、76キロ。最速145キロのストレートと、多彩な変化球を操り、制球力も良い本格左腕だ。
1年夏からベンチ入り。2年夏の北大阪大会準決勝、ライバルの大阪桐蔭戦で救援で起用されながら1死も取れず降板した。9回2死までリードしたものの、あと一死が取れず逆転負けを喫した試合を「悔しかった」と心にとどめている。
秋の近畿大会は大会を通じ無四球。4強入りがかかった準々決勝の福知山成美(京都)戦で12奪三振、3安打完封。センバツ出場の原動力となった。「秋の大会で気持ちの面で大きく成長できた。以前は打者に向かっていく姿勢が足りなかった。ストレートのキレ、球速も上がった感覚がある」と手応えを感じている。
地元・兵庫県丹波市の少年野球チーム「東レッドソックス」で野球を始めた時から甲子園が頭にあった。甲子園のグラウンドに立つのは、地元の氷上中学校1年の時に所属していたヤングリーグ「ベースボールネットワーク」で一塁手で出場したタイガースカップ以来。「背番号1を背負っている自覚を持って投げる。試合を作るピッチングをしたい」と胸を張った。
小、中と目立った成績を残していない清水君の才能を開花させた岡田龍生監督は、「打線はいい。投手陣がどれだけがんばれるか。その中心に清水がいる。大胆なピッチングを」と期待を寄せている。