小2の“恐竜博士” 自ら学校行事企画 太古の魅力伝える 研究ノートは8冊目に

2019.03.28
ニュース丹波篠山市

恐竜ノートを手にする井上君=兵庫県篠山市小枕で

恐竜やほ乳類化石などが産出している兵庫県篠山市立城南小学校2年生の井上太郎君は、恐竜が大好きで、「歩く図鑑」と言えるほどの豊富な知識の持ち主。「恐竜のどんなことを質問しても必ず答えを返してきます」と教師をもうならせている。そんな井上君、「学校のみんなに恐竜の魅力を伝えたい」と、恐竜に関する学校行事を自ら企画し、全校児童を楽しませている。今月18日には、恐竜イラスト大会の表彰式を開き、“主催者”である井上君が手作りの表彰状を入賞者に授与。小さな“恐竜博士”が、校内で太古の魅力を発信し続けている。

井上君は、幼稚園児の時に自宅で恐竜のDVDを観て以来、そのかっこよさのとりこになった。「肉食恐竜が怖かったけれど、すごく面白かった。スーパーサウルスは全長が33メートルもあってかっこよかった」と振り返る。

その後、恐竜の図鑑や事典を買ってもらい、ますます恐竜にのめり込む。1年生の9月からは、「もっと詳しくなりたい」と、恐竜の生態や特徴、生息地、イラストなどあらゆる情報を書き込んだ「恐竜ノート」恐竜ノートを作り始めた。

井上君が作っている「恐竜ノート」

ノートは現在、なんと8冊目。まだ習った漢字が少ないため、ひらがなが多いが、ジュラ紀や白亜紀など各時代に生きた恐竜の特徴や、進化の道筋を描いた系統樹などを表記したり恐竜のイラストを描いてそれぞれの特徴を解説するなど本格的だ。

「最初は図鑑を丸写ししていたけれど、知識が増えてくると、自分の関心のあることを調べ、イラストをたくさん描くなどして工夫した。今はポケット図鑑も制作中」と話す姿はまるで研究者のようだ。

この恐竜ノートをたくさんの人に見てもらいたくて、休み時間になると、ノートを入れた手提げかばんを持ち歩き、友だちや上級生はもちろん、教師にも声を掛け、ノートを見せながら恐竜について熱く語っていたという井上君。その姿に感心した同校の畑中さとる校長が、「みんなの前で恐竜の説明会をしたら」と提案したところ、「やる」と二つ返事。同じく恐竜好きのクラスメートに協力してもらいながら企画を進めた。

今年1月には全校児童を対象に「説明してほしい恐竜は何」とアンケートを取り、昼休みなどに説明会を開催。アンケートにあったスピノサウルスや日本に生息していた6種類の恐竜などについて知識を披露した。

2月には、クイズ大会を実施。初・中・上級のレベルごとに問題を作り、中級では「ティラノサウルスの歯は何回生えかわるか」などと出題し、全校で盛り上がった。

恐竜の魅力を発信する井上君を取材すると、「一番好きなのは『マイアサウラ』。白亜紀後期の北アメリカに生息していた鳥脚類で、恐竜の中では初めて本格的に子育てをしていた可能性があるということから、名前は『良い母親トカゲ』という意味」と、説明が止まらない。

将来の夢を尋ねると、「もちろん古生物学者」と胸を張っていた。

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