選抜高校野球大会10日目の4月2日、準決勝第2試合で地元、兵庫県代表の明石商業のエース中森俊介君(2年、同県篠山市立篠山東中出身)が東邦(愛知)戦で先発、完投したが、3点本塁打を浴び、1球の失投に泣いた。2―4で敗れたものの、チームは過去最高の4強入り。中森君は3試合で先発、完投するなど全4試合で登板し、チーム躍進の原動力となった。
完投も3点本塁打被弾、自身は最終打者に
182センチ、83キロの恵まれた体格で、昨年夏の甲子園にも出場した本格派右腕。ストレートとチェンジアップ、スライダー、フォークなどの変化球が持ち球。篠山東中学校野球部出身で、硬式は高校から始めた。
「コントロールミスは許されない。『低目、低目』と気をつけた」(中森君)という投球で、強打の東邦打線を6回まで零封。7回裏、四死球で1死1、2塁とされ、3点本塁打を浴びた。8回表に味方打線が2点を返したが、その裏エラーで1失点。9回表2死1塁で中森君に打順が回ったが、空振り三振に倒れ、決勝進出はならなかった。
中森君は、ホームランを浴びたことに「2ボールとなりストライクが欲しいところでストレートが高めに浮いた。投げた瞬間、『まずい』と思った」と悔やんだ。「高めに浮かないようにするのが自分の課題。低目を突くことを追求したい。今まで以上に自分に厳しくし、夏に必ず戻って来たい」と話した。
大会を振り返り、「(準々決勝の)智弁和歌山戦で粘り強く投げられたのは自信になった」と言う。最高速は147キロで、目標にしていた152キロに届かず、「いつか出したい」と前を向いた。
故郷からの応援団については「決勝戦を戦う姿を見せたかった。篠山からでも全国で戦える姿をこれからも見せたい」とコメントした。