兵庫県篠山市本郷の松隣寺の境内で、キンポウゲ科の多年草「バイカオウレン」が見ごろを迎えている。寺や檀家らが守り続けている花。目の覚めるような白が、近くで暮らす住民たちに、にぎやかな春の便りを告げている。
女王「クリンソウ」 一大群生地の様子
直径約1センチの白い花をびっしりと咲かせ、褐色の林床をにぎやかに飾っている。名前の由来は、花の形が梅に似ているため。
本州中部以西に自生するが、篠山市内では自生地として2カ所しか確認されていない。
寺や檀家らが貴重なバイカオウレンを守ろうと、不用意に立ち入って花を踏みつぶしてしまわないよう柵を設けるなどしている甲斐あって、年々わずかではあるが生息域が広がっているという。
同寺によると、今年は雪が少なかったため、例年よりたくさんの花が咲いているという。
高辻康文住職(55)は、「足元でけなげに咲く小さな命にやさしい目を向けてもらえたら」と話している。
同寺はシャクナゲの自生地としても知られ、例年であれば4月中旬からゴールデンウイーク前まで花が見られるという。