兵庫県丹波市内の山林で、環境省のレッドリストに準絶滅危惧種(NT)としてランク付けされている「オオタカ」が繁殖期を迎え、「キッキッキッ」と鋭い鳴き声を放っている。
オオタカの全長は、雄が約50センチ、雌が約60センチ。カラスほどの大きさで、ネズミやウサギなどの小型ほ乳類のほか、ハトやカモ、時にはカラスも襲う猛禽(もうきん)類だ。
本紙記者が、大きな羽音と共に、まだ花を残した桜の枝に飛来したオオタカに遭遇。林の奥にいると思われる、もう一羽としきりに鳴きかわしていた。
丹波野鳥の会会長の梅津節雄さん(65)=丹波市=によると、写真の個体は雌という。兵庫・丹波地域では、絶滅のランクが高い「クマタカ」よりも個体数が少ないそうで、「豊かな里山環境が残されていることの証でしょう」と話す。
また、2017年に環境省がオオタカを「国内希少野生動植物種」から指定解除したことに触れ、「開発のハードルが低くなり、豊かな自然が失われていくのが心配です」と話していた。