兵庫県丹波市の野鳥愛好家、梅津節雄さん(65)が9日、同市内の加古川で珍鳥「セイタカシギ」を発見し、撮影にも成功した。環境省の絶滅危惧2類(VU)に指定されている希少種で、丹波地域では春と秋の渡りの時期にしか見られない旅鳥という。梅津さんは「”生”のセイタカシギを見たのはこれが初めて。細長くまっすぐなくちばしに鮮やかなピンク色のすらりと伸びた脚で、水辺を歩きまわる姿はとても美しく、さながら『水辺の貴婦人』といった感じ」とほほ笑んでいる。
まっすぐなくちばし、すらりと伸びたピンクの脚
丹波野鳥の会会長でもある梅津さん。夕方、車で走行中に川面にたたずむ”貴婦人”を発見。「特徴的な鳥なので、一発で”それ”と分かった。望遠レンズを取り付けたカメラを手に、気づかれないよう堤防の陰に潜み、近づいてくるのを待って撮影しました」と興奮冷めやらぬ様子だった。
梅津さんによると、体の大きさはハトほどで、魚や甲殻類、水生昆虫などを食べる。繁殖地はヨーロッパやアジア南部などが中心。国内でも東京湾や三河湾などで繁殖しているという。渡りの季節には、海辺に近い湿地や池、川など、国内の広い地域で観察できる可能性があるというが、「いずれにしても内陸部で見られるのは大変珍しいこと」と話している。