兵庫県丹波市の定住促進事業の移住相談を受託している一般社団法人BE(中川フェテレウォルク代表理事)が、インターネットを利用した常設の「オンライン移住相談」を4月21日、スタートさせる。あらかじめ日時を設定するグループ相談会のほか、相談希望者が都合の良い時間に個別相談にも乗る。常設でのオンデマンド移住相談は、全国的にも珍しい試み。
ネット会議システムで「集団」「個人」に対応
これまで東京や大阪で開かれる移住相談会に参加してきたが、出張にかかる交通費や時間的な負担が大きく、開催時間にも限りがあり、十分時間をとって一人ひとり話を聞くことができない課題があった。同法人が3年間で相談を受けた818人のうち、うち都市部で開催した相談会では92人と約1割だった。
ネット上で移住相談業務を行うことで、これら課題の解決をはかる。加えて、興味はあるがきっかけがない、都市部から遠く、忙しくてなかなか現地まで足を運べない、土日祝日は移住相談窓口が開いていないといった都市住民らの受け皿になることをめざす。
複数の使用者が同時に画像と音声を共有できるネット会議システム「ZOOM」(ズーム)を使う。集団と個別の2パターンを想定。同法人に事前にネット相談会への参加を申し込むと、当日使う「ZOOM」のログインアドレスがメールで届く。当日ログインすると、相談会に参加できる仕組み。個別相談がしたい場合も、同様に都合の良い日時を同法人に連絡し、1対1でネット上でやり取りをする。
中川さんは「移住相談にわざわざ出かけるほどではないが、興味がある、といった層に届く。パソコンとネット環境だけあればよく、手軽。丹波市に足を運んでもらう前段の手段として有効に機能させたい」と話している。