兵庫県丹波篠山市の「市西京街道拠点形成協議会」が、国史跡・篠山城跡周辺の城下町地区と、宿場町の風情を色濃く残す福住地区を対象範囲に、古地図上で史跡や建造物、名所などを見ることができるウェブサイトを制作した。GPS機能を使用することで自分がいる位置も表示され、古地図を手したまち歩き気分が楽しめる。同協議会事務局の市教育委員会は、「ともに国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されている福住から城下町へと続く道を観光ルートにしていくためのもの。観光客だけでなく、市民のみなさんにも楽しんでもらえたら」と話している。
サイト名は、「丹波篠山西京街道古地図散歩」。
城下町地区は、江戸時代の篠山城が描かれた「正保城絵図」(1644年ごろ)を、福住地区は、明治時代の地籍図(1873年ごろ)を使用。地図上に主要な史跡や建造物、寺社などが「ランドマークピン」で表示されており、ピンを押すと写真や解説文が表示される。
ピンの数は城下町で47カ所、福住地区で33カ所。城下町なら篠山城跡でも、「石垣」や「天守台」「馬出」「青山神社祭礼」など詳細がわかる。福住地区では、このほど市民の手で往時の姿を取り戻した住吉神社(川原)の「住之江の庭」や伝建地区にも指定されている「西京街道」のまち並みなどを紹介している。
また、外国人の観光客を誘致する「インバウンド」を目的に、解説文はすべて英語バージョンもある。
城下町から福住地区までの全景をカバーした地図は、米軍が戦後に撮影した空中写真(1949年)を使用した。
同協議会が文化庁の補助を受けて製作した。