兵庫県の篠山市議会定例会で27日、議員定数を削減する条例改正案が提案されたが、反対多数で否決された。
議員定数を現行の18人から2人減らす条例改正案は、会派「青藍会」の足立義則議員が提案。「篠山市は厳しい財政状況。議員定数の削減で、財政再建に寄与できる」などを提案理由とした。
提案に対し、賛成、反対それぞれの立場からの討論が相次いだ。
反対の立場では、「議員が減ると、議会の機能は確実に低下する」「身を切る改革ならば議員定数よりも報酬の削減。議員を切るということは、地域を切るということに直結する」など、削減自体に反対する意見のほか、「定数は、議員全員での議論が必要。今回はそのような過程がなく、唐突な提案」「削減には賛成だが、今回は反対する。議会報告会などで市民の意見を聞いてからでもいいのでは」など、提案が議会全体で合意形成を図ったものではなく、議員有志によるものだったことに対する批判もあった。
賛成の立場では、「財政再建、人口減少の中、議員定数の削減は避けて通れない」「(昨年11月に)市名変更を巡って住民投票があり、議会への批判もあった。定数を減らすことで議員の質を高めるという意味にもなる」などの意見があった。
採決では、反対10、賛成7で否決された。足立議員は取材に対し、「思いが伝わらず、残念の一言」と話した。