新緑が映える季節となり、4月27日から始まるゴールデンウイークで自然を楽しむ計画を立てている人も多いのでは―。兵庫県丹波市山南町の農業、有田富男さん(71)がヒノキ林30アールを間伐した土地で360種、530本のカエデを植えた「有田もみじ園」では、カエデの新芽を楽しむ「春もみじ」が見頃を迎えている。
カエデ360種、色の移り変わり楽しむ
有田さんは旧山南町農協花木センターに勤務した経験を生かし、10年ほど前に5年かけて、もみじ園隣地のヒノキ林40アールをクリ園に整備した。さらに4年前にもみじ園のヒノキ林を間伐、カエデ50本を植樹した。さらに、自身でカエデの種類を増やそうと、県内のホームセンター、植木販売会社、奈良カエデの郷ひらら(奈良県宇陀市)などを回り、さまざまな品種を収集しては植樹した。もみじ園を一般公開して今年で2年目。
もみじ園には、▽桃、白、黄、緑と葉の色が変わる「花散里(はなちるさと)」▽赤から緑に色が変わる「出猩々(でしょうじょう)」▽緑葉で縁が赤い「扇爪柿(おうぎつまがき)」▽大きな葉の「テツカエデ」▽黄色の花が下垂し、葉が斑入りの「阿波ウリ錦」▽緑葉と白縁のコントラストが美しい「ノルウェーカエデ・ドラモンディー」など多種多様。今シーズンは新たに「ヒトツバカエデ」「イタヤカエデ星宿」「トウカエデ鳴門楓」などの品種を植えた。1本1本に名札をつけ、来園客に分かりやすくしている。
紅葉を愛でる秋とは違い、新葉の色合いを楽しむ「春もみじ」。葉の大きさ、色、切れ込みの深さなど、さまざまな違いが楽しめるとともに、1本のカエデの葉でも時期によって色の変化が見られる。有田さんは「時期によってさまざまに変化するので、何回か来ていただいてその変化を楽しんで」と来園を呼び掛けている。
開園は5月末まで。午前8時―午後5時。入園無料。