兵庫県丹波市青垣町の佐地神社の境内に、地中に営巣する「ヒメハナバチ」の一種の巣とみられる無数の小山が出現し、近隣で話題になっている。まるで”カルデラ”のような小山の先端の穴から、ハチがいそいそと出入りしている。
全身が黒っぽいハチは、体長12ミリ前後。脚に花粉を運ぶための毛が生えている。一回り小さいのがオスで、そこかしこで交尾をしている様子が見られる。
小山になっているのは、ハチが成虫になり、地表に出る時にかき出した土。大きいもので”標高”2センチ、直径4センチほど。本殿・拝殿を囲むように数百はあり、おびただしい数のハチが地表すれすれを飛び交っている。
ハナバチの名の通り、花粉でつくった団子を後ろ脚につけて地中の巣に運ぶ。団子に1つ卵を産み、幼虫は団子を栄養に育つ。
武山正詞宮司(56)によると、今月17日午後に小山がポツポツできているのに気づいた。19日には足の踏み場もないぐらい爆発的に数が増えており、羽根アリのような昆虫が次々と地表に現れるのにびっくりしたという。
「ここで生まれ育ったが、こんな光景を見るのは初めて。地中がどうなっているのか見てみたい」と興味深そうにハチに目をやっていた。
兵庫県立人と自然の博物館(三田市)によると、この種のハチは、ある時に突然、大量発生し、翌年にはいなくなることもあるという。