足利尊氏と嫡男・義詮が身を寄せたと伝わる古刹・石龕寺(せきがんじ)のある兵庫県丹波市山南町岩屋地区で、「岩屋古墳探検隊」の活動が始まっている。地区内に約10カ所ある古墳を巡って現状を調査しようというもので、地区内の広報紙で日時を知らせて参加を募っている。
「古墳探検隊」を立ち上げたのは、考古学に詳しい同地区の藤田淳さん(58)。藤田さんは「古墳の現状を調べながら、地元の人たちと一緒に学べれば」と話している。
5月に発足し、2回目となる6月22日は、地元住民数人と、丹波市文化財保護審議委員の山内順子さん(同市柏原町)も一緒に古墳を回った。
藤田さんの先導で、1998年発行の「氷上郡(現・丹波市)埋蔵文化財分布調査報告書」に2基が記されている山中の「トウ山古墳群」へ。現地では、大きさを測定するなどした。
古墳に供えられた?須恵器も
今回の調査で、周辺に古墳の可能性が高いものも含めて7基が見つかった。古墳の近くでは、古墳に供えられていたとみられる須恵器や、江戸時代の丹波焼のすりばちの破片、弥生時代の石器などの遺物を見つけた。
参加した男性(69)は「生まれてから岩屋に住んでいるが、来たことがない場所だった。せっかく機会をつくってもらったので協力できれば」と話していた。