兵庫丹波の森協会(兵庫県丹波市柏原町柏原)と、兵庫丹波オオムラサキの会が今年2月、オーストリア・ウィーン13区に贈呈した国蝶・オオムラサキ(タテハチョウ科)の幼虫がこのほど羽化した。幼虫の贈呈は2016年から5回目で、贈呈した幼虫が羽化したのは1回目の贈呈以来。また、卵が初めて確認された。まもなく孵化(ふか)の時期で、関係者らの期待が高まっている。
同協会とウィーン13区は、1993年に友好親善協定を結んでいる。
2013年にオオムラサキのエサとなるエノキの苗木5本をオーストリアに寄贈。16年2月に幼虫30匹が初めて贈られ、世界遺産内にある世界最古のシェーンブルン動物園の飼育施設で生育した。7匹が羽化したが、卵は確認されなかった。以降、幼虫や卵30―40匹(個)ずつを、3回贈呈したがすべて死滅した。
オオムラサキの会の足立隆昭会長によると、オオムラサキは乾燥に弱く、年間雨量が丹波市の約4割のウィーンでは湿度管理が難しいという。
また、今年は日本とオーストリアが正式に外交を開始して150周年。同動物園が記念に今年6月、公開専用ケージを整備した。7月23日現在、2月に贈呈した幼虫60匹のうち、20匹が羽化し、約200個の卵を確認している。