求める暮らしを実践
人口減少の時代にも「住み継がれるまち」の実現を目指し、2017年12月、まちづくり会社の一般社団法人「Be(ビー)」を立ち上げた。丹波市の移住相談窓口「たんば“移充”テラス」の運営や、空き家を活用した地域づくりなどを行っている。自ら実践しようとの思いから、法人名は「在る」という言葉を選んだ。
日本人の父とエチオピア人の母を持ち、15歳まで丹波市青垣町で育った。アメリカの大学を卒業後、国際協力を行うNGOに就職。東京を拠点に10年ほど暮らし、海外や東北で貧困撲滅や復興支援などを行ってきた。
仕事でもっと自分を高められるチャレンジがしたい、プライベートは家族との時間を大切にできる環境がほしいと転身を考えた時、「そうだ、わたしにはふるさとがある」と、両親が暮らす丹波が浮かんだという。移住相談窓口を通じ、多様な生き方をしている丹波の人たちを紹介してもらい、「ここならやっていける」と移住を決めた。
2015年から丹波市の「地域おこし協力隊」として勤務し、空き家バンク事業を開始。2016年に長女を出産し、産後約2カ月で仕事に復帰した。
また、自身も空き家バンクで古民家を購入し、シェアハウスとして使えるように改修。一角で、アメリカ人の夫がこだわりのコーヒーショップをオープンした。
仕事と育児に全力疾走の毎日。「理想としていた“丁寧な暮らし”をするには時間が足りない」と笑いながらも、自分らしい田舎暮らしを楽しんでいる。「移住相談に来た人に、嘘偽りない生活を伝えられるよう、日々の暮らしを実践していたい」。38歳。