強い雨を伴う大型の台風10号が西日本に接近するなか、兵庫県丹波市のブドウ農家は、収穫目前の果実の裂皮を防ぐため、まとまった雨が降り出す前に水やり作業に追われている。
22日に開園を予定している同市青垣地域にある「たにしげ農園」は、台風接近の可能性が報じられた11日から14日まで、大粒系のフジミノリを中心に60アールに散水した。
園主の谷田重信さん(73)によると、台風に伴う雨で、一気に株が水を吸うと、急激な玉太りに耐えられず皮が破れ、商品価値がなくなるという。数日前から散水し、じょじょに水を吸わせてやることで、株の水分吸収が抑えられるという。
ナシなどと異なり、長期保存がきかないブドウは、台風前に大量に収穫し、被害を軽減することが難しい。とれる対策も少なく、谷田さんは、「雨対策はできたが、風はどうしようもない。株をいためるような強い風が吹かないことを願う。運を天に任すしかない」と、被害が少なく済むことを祈っている。