キャリアを生かし起業
丹波市の有機野菜の味わいに魅せられたのがそもそものきっかけになり、3年前、夫と長女の3人家族で丹波市にⅠターン。これまでのキャリアを生かして、子供服をデザインし、縫製・仕上げまでの全工程をてがける事務所を春日町野村に構える。
服飾の専門学校を卒業後、アパレルメーカーにデザイナーとして入社。イギリスに2年間、留学し、ヨーロッパの服飾にふれた。帰国後、有名デザイナーの三宅一生さんが代表を務める会社「イッセイミヤケ」で1年間、アシスタントデザイナーとして働いた。「既成の枠にとらわれない発想で、できそうにないことにも挑まれる。ものづくりに対する姿勢を学びました」という。
三宅さんのもとで働いている頃、やがて夫となる圭司さん(37)に出会った。圭司さんは今、丹波市で栽培した有機野菜などを扱ったカフェを春日町や宝塚市、大阪市で計4店営む。カフェの手伝いなどもあってデザイナーの仕事から遠ざかったが、2年前、歩きだしたばかりの長女に似合う服を作ってあげたいとの“親心”が発火点となり、デザイナーの仕事を再開した。
それまでレディース服が専門だったが、子供服に切り替えた。0歳から8歳頃までの子供服を作り、インスタグラムにあげて注文を取るというシステム。9月からブランド名を、「娘と息子」を意味する「daughter&son」にする予定。
長女は今、3歳になり、7カ月の長男もいる。「長女は山や川が大好き。花を摘み、虫とたわむれる長女の姿に接している丹波での日々は、私のデザインに反映されていると思います」と話す。大阪府富田林市出身。34歳。