甲子園球場で20日に行われた「全国高校野球選手権大会」準決勝で、地元兵庫代表の明石商業は、履正社(大阪)に1―7で敗れ、センバツと同じベスト4で姿を消した。明石商業のエースで、兵庫県丹波篠山市立篠山東中学校出身の中森俊介君(2年)が先発したが、初回から履正社の強力打線につかまり敗戦。「先輩の夏を終わらせてしまった。この経験を糧にし、また甲子園に帰ってきて、ベスト4以上を目指したい」と再起を誓っていた。
中森君は初回に履正社先頭の桃谷惟吹外野手(同)に127キロのチェンジアップをセンターに運ばれ、あわやホームランという3塁打を浴びた。この回に6安打を集められ4失点。5回にも連打で1点を失った。
4回には履正社・4番の井上広大外野手(同)をこの日最速の147キロの直球で打ち取るなど、回を追うごとに変化球が本来のキレを取り戻し、スライダーやチェンジアップで三振を奪った。8回裏に代打を送られ、150球で降板した。
準々決勝では自己最速の151キロをマークするなどしていた中森君は、「初回に崩れ、立ち直れずに一気に4点取られたのが一番の敗因。履正社打線を警戒しすぎた。実力のなさを痛感した」と反省を口にした。
また、「中盤からはピッチングが安定したので、今後は立ち上がりを大切にしたい」と話していた。
明石商業の狭間善徳監督は、中森君のピッチングについて、「上半身と下半身がかみ合っていなかったし、肘がたためていなかった。かみ合えさえすれば、もっとすごい投手になる要素は秘めている」とし、「よくがんばったが、まだまだ甘い。能力が高いからこそ、あえて厳しいことを言いたい」と指摘した。
とはいえ、まだ右腕は2年生。「明日からまた、一からやり直して、3年生の借りを返してほしい」と期待を寄せていた。