兵庫県丹波篠山市野々垣の山口喜昭さん(69)がこのほど、自宅の黒豆畑で、「プールがじょうずになりたい」と書かれた手紙がついている風船を発見した。約60キロ離れた加古川市の幼稚園児が飛ばしたもので、つながりを大切にしたいと感じ、実際に園と隣接する小学校を訪問。「プールがじょうずに―」との思いに応えて水泳用のゴーグルもプレゼントするなど、一つの風船をきっかけにした交流を楽しんだ。
風船は9月28日の午前中、同市立平岡北小学校・幼稚園の創立40周年記念行事で飛ばされた。同校の児童約700人と同園の園児約50人が、それぞれの願いを書いて空に放った。
発見したのは翌29日の朝7時ごろ。八上城跡登山口近くにある畑が動物に荒らされていないか確認中、防護ネットに引っかかった風船と願いが書かれた紙を見つけた。
すぐさま同校に連絡し、今月5日に同校を訪問。土曜日だったため、風船を飛ばした園児には会えなかったものの、グラウンドにいたサッカーチームの児童を通し、飛んできた手紙の現物を返し、山口さんからの手紙とゴーグルを贈り、児童たちと写真を撮るなど交流した。
風船が落ちてきたことが登山者の話題になればと、案内板を手作り。「加古川から遠く離れた丹波篠山まで、よく飛んできたものだとうれしくなった。風船を飛ばした子が、いつか大きくなった時に喜んでくれれば」と笑顔で話していた。