今月2日に開かれた兵庫県丹波篠山市議会の予算決算委員会民生福祉分科会(6人)で、委員のある議員が欠席した。欠席理由は息子の結婚式。9月半ばに欠席の届けを提出していたが、同市議会の規則では欠席を認める判断基準を、「予見できないもの」としていることから不受理となり、分科会は「無断欠席」となった。森本富夫議長は、口頭で厳重注意した。
規則で本会議や委員会などを欠席できるのは、▽事故▽出産―の2点。「事故」には本人が車などで事故に遭うことのほか、身内の死去なども含まれる。議会事務局によると、事故は突発的に発生した事柄が適用される場合が多く、事前に日程がわかっているものは欠席の理由にならないという。また、今回、届け出があったのは分科会の約2週間前。「もっと早い段階ならば、分科会の日程を調整することもできた」と話す。
議員は取材に対し、「息子は海外で生活しており、結婚式場も海外。式場が混んでいたのか、具体的な日程がわかったのは届け出の前日だった」とし、「まさか不受理になるとは思っていなかった。半年前にわかっていれば当然、その時に欠席届を出していた」と説明。「息子の結婚式に出席するのは親として当然のこと。議員とはいえ一人の人間。このような体制では議員のなり手も出なくなる。改革していくべき」とした。
森本議長は、「子どもの結婚式に出席してやりたいという心情はわかるが、議員である以上、規則は守るべき。選挙を経た公人であることを意識してほしい」とした。
一方、議会内部では、「届け出が遅かったのは問題だが、冠婚葬祭は認めるべき」という声のほか、「有権者の負託を受けているのだから、公務を優先するのが当然」など賛否の声が出ている。