兵庫県丹波篠山市味間新の源光恵さん(90)がこのほど、兵庫県から「高齢者特別賞」を贈られた。卒寿を迎えてなお健康で、紙芝居サークルの一員として各地に出向くなど活躍を続ける源さん。受賞には、「本当にありがたいこと」と感謝し、「人に喜んでもらえることが自分の喜びです」とほほ笑んだ。
同賞は、県内在住の90歳以上で、徳行にすぐれ、現在も健康で社会的に活躍し、功績が特に優れている人に贈られる。
源さんは同県丹波市春日町出身。長く小学校の教員を務め、1986年には大山小学校で丹有地区では初の女性校長に就任した。89年に退職した後、子育てふれあいセンターの立ち上げにかかわり、「両親教育インストラクター」として子どもたちはもちろん、保護者ともふれあい続けた。また、2000年までは保護司も務めた。
今も続けているのは03年に入会した語り部サークル「ふるさと」の活動。兵庫丹波の森協会が発行している「丹波のむかしばなし」を題材にした紙芝居を手に、仲間とともに市内の学校などで公演活動に励んでいる。
月に3回は紙芝居、月に1回はサークルの例会と、90歳とは思えないスケジュールをこなしている。
大病もなく、ひざが少し痛い程度という源さんの健康の秘訣は、何でも食べることや自宅の周囲を散歩したり、大好きな歌を歌うこと。幸せを感じるのは、息子夫婦と孫とともに、毎日、夕飯の食卓を囲む時間という。大切な家族のため、コスモスを見つければ自宅に飾り、「忙しい時でも、少しでも心を豊かにしてくれたら」と願う。
今後の目標は、「その日その日の目標を立てること。この年になれば遠いところを考えても仕方ない」と笑顔で話していた。