兵庫県丹波市青垣町の紅葉の名所、高源寺(山本祖登住職)が、スマートフォン向け位置情報ゲーム「ドラゴンクエストウォーク」の秋の行楽イベント会場になった。15日―28日までの期間中、同寺周辺で特定のモンスターが大量発生するもので、同ゲーム愛好家の参拝が見込まれる。
人気ゲーム「ドラゴンクエスト」(ドラクエ)などを手掛けるスクウェアエニックス社と、人々の移動を調査分析するコロプラおでかけ研究所(共に東京都)が共同開発したゲームの「全国紅葉狩りイベント」企画に、県観光振興課からの推薦で参加した。
「ドラクエ」の世界と化した現実世界を、ゲームプレイヤーが主人公となって歩きながら冒険を進めるゲーム。ゲーム内で実在の観光地と連携することで、ゲームプレイヤーが、実際に全国各地の観光地を訪れ、回遊することを期待した取り組み。
顔の輪郭がもみじの形をした一つ目小僧「もみじこぞう」という他の場所ではなかなか現れないモンスターが、「紅葉の名所」として登録された同寺周辺で大量発生する。ゲームの中で「もみじこぞう」を倒すことで、記念アイテムなどが入手できる仕組み。また、高源寺の現地風景をバックにして、「もみじこぞう」がその場にいるような写真(AR撮影モード)が撮影できる。
兵庫は6カ所が参加。近畿・中四国ブロックでは各府県2―6カ所が名を連ねており、彦根城周辺や二条城境内、大阪城公園も参加している。
同寺は新聞、テレビ、雑誌、インターネットなどマスメディアへの露出は数えきれないほどあるが、ゲームに登場するのは初めて。山本住職(64)は、「想像もしなかったこと。どういう機会で寺や仏教に関心を持ってもらえるか分からない。門戸は開けておく必要があると考え、打診を了承した。現代的で、おもしろい試み」と笑顔。「スマホの画面に集中し過ぎて石段を踏み外したりしないよう、注意して安全に遊んでほしい」と忠告した。
同ゲームは9月の配信開始以降、800万ダウンロードを達成するなど人気を集めている。