兵庫県丹波市氷上町成松の新田自治会の高齢者が毎週3日、午後7時から同公民館に集まり、同市発祥のニュースポーツ「囲碁ボール」や3B体操、100歳体操で健康づくりに励んでいる。これら高齢者の活動は、市内では日中に行うところが多いが、同自治会は「夜型」。かつて商売で栄えた土地柄の名残りで「昼は忙しい」と夜に集まっている。
同自治会の老人会「新和クラブ」。30人ほどの会員の中で、自身や家族の体調が良い会員が6年ほど前から、月曜は囲碁ボールと3B体操(隔週で交互)、木曜は囲碁ボールを楽しんでおり、昨年8月から金曜夜に自治会主催の100歳体操が加わった。多い人は週3日、健康的に”夜遊び”する「アクティブシニア」だ。
同自治会は、昭和の時代には映画館や銭湯があるなど、旧氷上郡の商業の中心地として栄え、夜遅くまで客足が途絶えずにぎやかだった商店街のメーン道路に面している。商売人が多く、昔から「集まるのは夜」だったという。70、80歳代になった今もボランティア、グラウンドゴルフ、現役で商売や勤めを続けている人もあり、「昼間はいろいろ用事がある」と、みんなの手が空く夜に集まる。ゴールデンタイムのテレビは「録画して見る」生活。
公民館を中心に半径200メートルに収まる小さな自治会で、集落の端から歩いても公民館まで数分で着くのも夜に集まりやすい理由という。
午後9時半まで練習する囲碁ボールは、市内の強豪に成長。先月、市内で行われた生涯スポーツの世界大会「ワールドマスターズゲーム」のリハーサル大会では2位に入ったほどだ。
池上均会長(82)は、「晩酌してから参加することもある」と笑い、「みんなが集まってくれるから活発に活動ができる」と、近所円満に過ごせる日々に感謝している。