兵庫県丹波篠山市の特産品「山の芋」のPRと生産振興を目指し、市や県、JA丹波ささやまでつくる「丹波篠山ブランド産品戦略会議」が、正月にとろろを食べる「三日とろろ」の風習を知ってもらおうとPR活動を進めている。市内に同様の風習はないが、全国各地には存在しており、「産地だからこそ、これから風習にし、山の芋の消費、生産拡大につながっていけば」と期待している。
三日とろろは古くから日本各地にある風習で、「おせちでもたれ気味の腹具合がすっきりする」といわれている。
丹波篠山の山の芋は、江戸時代から栽培されており、他産地と比べ、「粘り」が倍ほど強い。
一方、質の高さを評価されながらも、機械化が困難で、除草など手作業が多いことや、生産者の高齢化などで年々栽培面積が減少している。2003年に市内の栽培面積は99・8ヘクタールだったが、現在、35ヘクタールにまで落ち込んでいる。
山の芋の地域特産物マイスター・平野正憲さんは、「栽培面積は減り続け、このままでは特産がなくなってしまう。農家が『作ろう』と思うためには味を知ってもらい、収入が出ることを証明しないといけない」と言い、「山の芋は消化が良いほかに、親芋の下に芋ができることから、『孝行芋』とも呼ばれる。縁起物として三日とろろが広まれば」と期待している。