クリスマスが近づき、兵庫県丹波市の養護老人ホーム「青葉荘」(細谷琢郎荘長)に、一風変わったツリーがお目見えした。一般的なもみの木でなく、細く真っすぐ伸びた京都の北山杉の穂先。綿やオーナメントを飾り付けている。
磨き上げた丸太が床柱に使われるなど、艶と光沢の美しさが知られる北山杉だが、直径2センチほどの先端部分は捨てられ、使われていなかった。3年前に細谷荘長が雑誌で、未利用資源の穂先を使ったツリーの記事を見かけて興味を持ち、以来、京都北山丸太生産協同組合(京都市)から取り寄せている。
1年目は送料5000円がかかるものの穂先は400円ほどと格安だった。今年は1・3メートルほどの穂先は2500円(送料別)。穂先を自立させる杉の台を作り、セット販売してはと荘長が提案、穂先と共に試作品が届いた。
細谷荘長は「モミの鉢を借りるより安く、好きな長さに切ってもくれる。スギの良い香りがします」と笑っていた。