スタントマンが交通事故を再現する自転車交通安全教室「スケアード・ストレート」がこのほど、兵庫県丹波市の柏原高校グラウンドで開かれた。恐怖(スケアード)を直視(ストレート)させる教育手法の一つで、同校の生徒692人や職員の自転車運転マナーの向上と事故防止の徹底を図ろうと、全国共済農業協同組合連合会(JA共済連)兵庫が、2009年から毎年、県内の中学・高校4校を選んで実施している。
ドラマや映画のスタントシーンで活躍している会社「スーパードライバーズ」(東京都)のスタントマンが、実際に起こった交通事故をもとにその瞬間を再現した。
スマートフォンを操作しながら、またはヘッドフォンで音楽を聴きながら自転車を運転し、見通しの悪い交差点に進入。角から走ってきた車やバイクと激しくぶつかったり、傘さし運転で自転車同士衝突して見せるなど、学生に多い事故パターンを再現して危険性を訴えた。
生徒会副会長(2年)は、「激しい衝突音がして、映像で観るより迫力があって交通事故の恐ろしさを実感した。自転車は便利な乗り物だけれど、少しの油断や交通ルール違反で、加害者にも被害者にもなることが分かった。気をつけたい」と話していた。
丹波署によると、今年、市内の自転車の人身事故は11件発生(11月末時点)。事故原因の多くは自転車側にあったという。