水道工事の価格漏えい疑い 丹波市職員の男らを逮捕  最低制限価格ちょうどで落札

2020.01.28
ニュース事件

職員の逮捕を受け陳謝する谷口進一市長(右から3人目)ら市幹部=2020年1月28日午後8時30分、兵庫県丹波市氷上町成松で

 兵庫県警本部は28日、市の公共事業の入札情報を漏らしたとして同県丹波市水道部工務課主査の男(40)を官製談合防止法違反と公契約関係競売入札妨害の容疑で逮捕した。また、競売入札妨害の疑いで同市山南町の建設会社の役員(49)も逮捕した。
 対象事業は、昨年9月17日が契約日の丹波市青垣町佐治地内などの老朽化した水道管の更新工事。同社は、最低制限価格ちょうどの5546万4000円(税抜き)で落札した。一般競争入札で行われ、7社が入札した。
 県警の調べによると、主査の男は9月中旬ごろ、同工事の設計金額などを役員の男に教え、同社に落札させ、入札の公正を害す行為を行った疑い。主査は、設計価格を知る立場にあった。
 主査は昨年11月、担当する水道管工事などについて、業者への代金支払いや検査などの事務作業の遅れが発覚するのを逃れようと、関係書類を偽造する虚偽有印公文書作成と同行使が発覚。市は昨年12月に主査を停職6か月の処分にし、現在も停職処分中。
 主査が行った、虚偽有印紙公文書作成事案に、同社がJVで関わっていた事業も含まれていた。
 主査は2002年に入職、14年4月から水道部工務課で勤務していた。
職員の逮捕を受け、午後8時25分から谷口進一市長が市役所で会見。「市民の信頼を裏切り、多大なる迷惑をかけ、心からおわびします。大変申し訳ありませんでした」と謝罪。「停職処分をしたばかり。私を含め関係する職員を処分したばかり。コンプライアンスの徹底、全職員で再発防止に取り組む中、逮捕は誠に遺憾で痛恨の極み。事件の詳細を把握し、厳正に対処したい」と述べた。
 村上佳邦企画総務部長によると、停職以降、市は本人と接触していないという。市が虚偽有印公文書作成などについて事情聴取した際、本人に何度も他に不正を働いていないか聴取したが、「他は何もしていないと答えた」と話した。

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