巣立ちの時期を迎え、兵庫県丹波市の高校でも卒業式が始まった。新型コロナウイルスによる肺炎の流行を受け、県立氷上西高校(同市青垣町)では、式に出席した全員がマスクを着用。”白”が目立つ会場で、厳かに式典が行われた。
卒業生35人をはじめ、在校生、教師は教室で配布されたマスクを受け取り、保護者、来賓は会場の体育館の入り口で、マスクを手渡された。マスクは、2009年の新型インフルエンザ流行時に備蓄していたものを使った。前日の予行演習でも、生徒全員に行き渡ったという。
校歌斉唱、卒業証書の授与、卒業生の答辞など、一連の式はマスクを着けたまま行われた。
卒業生代表の中垣諒太君は、3年間の学校生活を振り返り、「最初はいろんなことをするのを恥ずかしいとさえ感じていたが、挑戦することが楽しく感じられるようになり、自信を持ち、多くの宝物を得た」と答辞。山口文和校長は「禅に、『脚下照顧』という言葉がある。自分をしっかり見つめよ、の意味が込められている。背伸びをせず自分を信じ、一歩一歩丁寧に歩んで」とはなむけの言葉を贈った。