新型コロナウイルスの影響により、不織布マスクの品薄が続くなか、布マスクを手作りしようとする人が急増している。兵庫県丹波市内の手芸店では、ゴムやワイヤーの入手が難しくなっており、手作りマスクも飛ぶように売れている状況だ。思わぬマスク需要の波紋で、手作りマスクが脚光を浴びている。
同市の「ほのぼの手芸のヤマシタ」では、先月から「マスクを作りたい」という客が増え始めた。問い合わせの多いマスク用ゴムは、店長の女性(41)が入荷先をあちこち探し、現在は3日に1度ぐらいのペースで仕入れを確保している。「売り切れの店が多いようで、あちこちから買いに来られるのに驚きます」
山下さんによると、マスク作りにチャレンジしているのは、子育て世代、祖母世代の女性が中心という。
同店でクリーム色のダブルガーゼを2メートル購入した女性(71)は「飲食関係の仕事をしている友だちに頼まれて、初めてマスクを作ります」と話していた。
手芸愛好家らが同店で販売している手作りマスクは、昨年まではほぼ、子どもの入園用品としてしか需要がなかったが、今年は大人用も「置けばすぐになくなる」。これまでに300―400枚を納品したという同市内の女性作家は、「睡眠時間を削って作っていますが、追いつきません。ちょっと異常な感じもしますね」と話す。
作っているのは、表地にダブルガーゼ、裏地にガーゼを使ったプリーツタイプのもの。このほか、立体タイプのマスクを出品している作家もおり、こちらもよく売れている。