特殊詐欺の被害を未然に防いだとして、兵庫県丹波市の丹波警察署(高橋浩樹署長)はこのほど、市島郵便局(里英樹局長)の局員、尾松理沙さん(19)に感謝状を贈った。
2月25日午前9時50分ごろ、同市内の50歳代男性が、「当選金を振り込んでもらうために口座の限度額を引き上げてほしい」「20万円を振り込みたい」などと申し出た。尾松さんは特殊詐欺を疑い、里局長に相談。里局長が男性に詐欺の可能性が高いことを伝えたが、納得しなかったため同署に通報し、駆け付けた署員と共に説得した。
同署によると、前日の24日、男性のもとに、5000万円が当たったという内容の電子メールが届き、当選金を受け取るには会員登録料として20万円振り込むことを条件にしていたという。
入社1年目という尾松さん。「入社時の研修で、詐欺被害対応の講義を受けていたが、まさか本当にこのような場面に遭遇するとは」と驚き、「お客様を疑って声を掛けるのは怖かったけれど、詐欺を未然に防ぐことができうれしい」と話していた。
高橋署長は、「声掛けは難しく、勇気もいる。『おかしいな』と感じる鋭い感覚で対処していただいたおかげで詐欺被害を未然に防ぐことができた」とたたえていた。