兵庫県丹波市山南町の足立しづ子さん(79)宅の庭先のハナミズキが10年ぶりに花を咲かせ、家人を驚かせている。しづ子さんは、「コロナで沈んだ気持ちを和ませようと咲いてくれたのかな」とほほ笑んでいる。今月末あたりまで見頃という。
10年ぶりに花を咲かせたハナミズキは、根元直径が12センチほどで、樹高は約3メートル。直径10センチほどの濃いピンクの花を無数に咲かせている。
昭和の終わり頃に苗木を植栽。10年前までは、毎年たくさんの花を咲かせた。「花のサイズが大きい品種なので遠くからでもよく目立ち、ご近所さんからも、きれいやなあと言ってもらっていました」と周囲の目も楽しませていた。
10年前、突如として花を咲かせなくなった。「原因は全く分かりません。それ以後、毎年葉っぱばかりを眺めて過ごすことになりました」
「もう咲かないのだったら枯れてもいいや」と、2年前の秋、以前に本で知識を得た、花を咲かせる方法「根切り」を実践。直径2センチほどの根を3本切断した。
昨年の秋、花芽が付いているのを発見。「うれしいやらびっくりするやらで」。10年前の春と同じように、今年、桜と入れ替わるように次々と大輪を咲かせた。
「根切りが功を奏したのか、偶然なのかは分からない。でも、こんなにたくさん咲いてくれて」と目を細めている。