今こそ”おすそ分け”の風習を コロナ禍で困る人にお米分配「助け愛」

2020.06.06
ニュース丹波市地域

プロジェクトのチラシを手に賛同を呼びかける関係者=2020年5月29日午後2時58分、兵庫県丹波市柏原町北山で

兵庫県丹波市の「柏原地域支えあい推進会議」は8日から、賛同者から米を集め、新型コロナウイルスの影響で生活に困っている地域の住民に分配する「お米deつなぐ助け愛」プロジェクトを展開する。

同会議は、医療や介護、互助など地域課題の解決に向けた勉強会を定期的に開いてきた。知識を深め、さまざまな取り組みを進めていた最中、新型コロナの感染が拡大。全世界の脅威となり、不要不急の外出や営業自粛が叫ばれ、経済は停滞した。

このような状況下、同会議のメンバーが、市社会福祉協議会職員と新型コロナの影響を話し合っている中で、丹波市内でも想像以上に新型コロナの影響で生活に困っている人が多いことを知った。

同社協によると、休業や失業などで生活資金に悩んでいる人に向けた「緊急小口資金」の貸付申請は市内全体で例年1、2件。しかし、今回の新型コロナの影響を踏まえ、特例貸付として対象枠を拡大(1世帯1回上限20万円を無利子で貸付)したところ、5月末時点で84件もの申請があったという。

同会議は、「我々に何かできることはないか」と考え、「丹波は田舎。農家が多いし、今もなお隣近所のおすそ分けの風習も残っている」と、米を集めて配ることを思いついた。

集めた米は市社協柏原支所を通じて分配する。まずは旧柏原町民を対象に実施し、余剰ができそうであれば市内に広げていく。

関連記事