兵庫県丹波市市島町の荻野幸夫さん(84)宅で、正月に食べ忘れた「ゆり根」から立派な花が咲いた。オレンジ色の大輪を咲かせ、幸夫さんと妻、たまのさん(78)を驚かせている。その特徴から、コオニユリと思われる。
昨年末、茶碗蒸しの材料にと、近所のスーパーで購入したゆり根。しかし、使い忘れ、気がついたころには1センチほどの芽を出していた。
幸夫さんは、「芽が出てしまったら食べる気がわかない。かといってこのままにしておいても枯れるだけ。どうなるか分からんが」と、花好きのたまのさんが世話している花壇に植えた。
すっかりそのことを忘れていたところ、春の花の時期が終わったころに花壇に緑色の葉が顔をのぞかせていた。
あれよあれよという間に草丈を伸ばし約70センチにまで成長。今月5日、ついに立派な花を1輪咲かせた。茎の頂に向かって7個のつぼみが付いており開花を控えている。
たまのさんは「予想以上にきれいな花が咲いてびっくり。枯れてしまうまで大事にしてやります」とにっこり。
花に無頓着という幸夫さんは「このままにしておいたら、ゆり根はさらに大きく成長するのかな。今度こそ茶碗蒸しにして食べてやろうと思う」とにんまり。