兵庫県丹波市の大路小学校がこのほど、同校で不審者対応訓練を行い、教職員約10人が、丹波警察署員から護身術と刺股の使い方を教わった。署員は「刺股は、不審者との距離を保つための道具と考え、必ず複数人で使うこと。不審者を捕まえようとせず、子どもたちを逃がす時間稼ぎをして。捕まえるのは警察の仕事」などと伝えていた。
同署生活安全課の小林龍夫警部補と井神雄介巡査長が講師を務めた。新型コロナウイルス感染予防で、全員がゴム手袋をして訓練に臨んだ。
小林警部補は、刺股の使い方として、▽相手に股の部分を捕まれにくいように縦に構える▽できるだけ長く持ち、急所が並ぶ体の中心線上に突き立てるよう威嚇して不審者との距離を保つ▽うまく股が相手の体を捉えた場合は、下から突き上げるようにして押す―などと伝授した。
護身術訓練では、署員のデモンストレーションに続き、胸ぐらや手首を捕まれたときの対処方法や、相手の動きを封じる関節技などを体験した。
近藤泰三校長は、「密や接触を伴うコロナ禍の中での訓練だったが、子どもたちの安全安心を守ることに待ったなし。2001年の大阪教育大附属池田小の事件がいつも心にある。この研修が生かされることがないことを祈りたい」と話していた。