兵庫県丹波市春日町の民家の庭先で、40年に一度しか咲かないといわれる「ニューサイラン」の花が咲き、近隣住民を驚かせている。この家が生家で、都市部で暮らしている男性(75)は、「葉が旺盛に茂るので、剪定ばさみで無造作にカットしていた」と笑い、「物心ついたころから庭に植わっていたが、花を見たのは初めて」と目を丸くしている。
マオランなどとも呼ばれるニュージーランド原産の多年草。観葉植物や生け花の材料として知られるが、花が咲くのは珍しいとされる。
根元から先端が鋭くとがり、白っぽい斑入りの細長い葉が1・5メートルほど放射状に立ち上がっている。
その中央からこげ茶色の茎が1本、高さ2メートルほどに伸び、先端から9つに枝分かれ。そのそれぞれに子どもの小指ほどの橙褐色の花を複数個咲かせている。つぼみも合わせると約120個確認できる。
近所の女性が花を咲かせているのを見つけた。男性が時々帰省しては畑でたくさんの花を育てており、花好きの女性が男性の育てている花の咲き具合を見に行った際、異変に気付いた。
「何、この花?」―。 いつもと違うニューサイランの姿に驚き、インターネットで検索してみると、「花は40年に一度しか咲かないと言われるほど珍しい」とあったという。
女性は、「どうりで見たことがないはず。地味な花ですが、滅多に咲かない花と出合え、少し興奮しています」と声を弾ませた。
花言葉は「素直」。