兵庫県の加古川漁業協同組合がこのほど、同県丹波地域の加古川水系12カ所でアユの放流を行った。20センチ以上に育った成魚合わせて425キロを放流。加古川に放たれたアユは早速群れをつくり、流れに逆行しながら悠々と泳いでいた。
放流日の初日は組合員6人が参加し、同県丹波市の3カ所で放流。アユが入った水槽を積んだトラックを橋の欄干に横付けし、水槽に太いホースを連結して川面まで垂らすと、水槽の水と一緒にアユを次々に放った。
組合員に網漁を楽しんでもらおうと、恒例の取り組み。もともとは5―6月に放流していたが、近年の天候不順により、大水で稚魚が流されてしまったり、増えたカワウによって捕食されたりするなど、思うような成果が上がらない年が続いた。このため、7年ほど前から放流時期を解禁日直前に設定し、環境耐性のある成魚を放している。さらにはこの時期の2日間、増えすぎたカワウを地元猟友会と連携して駆除している。
萩原登副組合長(68)は、「今年は雨がよく降り、水量が多い。そのおかげで水温もアユが好む20度前後と低く、えさの珪藻も豊富。川の環境は良いようなので、組合員の皆さんには最高の漁を楽しんでもらえるのでは」と期待している。