「ICOCA」配布議案を撤回 コロナ対策も異論噴出 「寝たきりの人使えない」

2020.08.02
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丹波市役所=兵庫県丹波市氷上町成松で

兵庫県丹波市が7月29日の市議会臨時会に提案した、交通系ICカード「ICOCA」を市内の中高生や65歳以上に配布する事業を含む一般会計補正予算案について、同日の予算決算常任委員会で異論が相次いだため、市は同議案を撤回した。市は31日の本会議で、同事業を除く予算案を再提案し、可決された。

同予算案は、新型コロナウイルス対策にあてるもので、ICOCAの配布は、非接触、非対面のキャッシュレス決裁になじみを持たせようと計画。来春、JR福知山線でもICOCAの利用が可能となることから、同線の活性化も視野に入れていた。来年2月、2000円分のカードを計約2万5200人に配布するのに、6504万1000円を計上していた。

議員からは、「寝たきりの人は使えない」「中学生にはお金を配るのと一緒。教育的でないといけない」などの意見のほか、コンビニなど小売店でも利用可能なことから「若い世代は交通に使用しないのでは」などと事業に疑問の声が上がった。また対象者全員に郵送することについても指摘があり、「市民の税金を使うのに、カードを利用したいという人にだけ配布する申請式にすべきだ」などの意見もあった。

公共交通の利用意識定着を目的の一つにしていることについても、「一番利用が見込める世代への配布がない」という声も。市は「キャッシュレスになじみが薄い世代にこそ利用してもらいたい」と回答していた。

市は同事業の課題を精査し、9月議会で提案する予定。

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