春日総合運動公園内(兵庫県丹波市春日町下三井庄)の里山「ごんろくの里山」で、九尺フジが見ごろを迎えている。同公園が整備された20年ほど前、地元の森林同好会が植えたもので、美しい紫の花をつけた房が風に揺られ、甘い香りを漂わせている。
フジは3本。クリの枯れ木で作った高さ約3メートルの藤棚が2つ設置されており、長さ計20メートルほどにわたって枝を伸ばしている。
長く森林同好会の会長を務めた松岡緑さん(92)=同町下三井庄=によると、同公園の整備時、土砂崩れなどを防ぐために、同会で数種の樹木を植樹。自然に詳しい地元の細見克郎さん(同町広瀬)らのアイデアで、花をつける樹木も植えたという。
九尺フジもその一つで、同市市島町白毫寺の自宅でフジ園を開園していた近藤忠信さん(70)に頼み、苗木を分けてもらったという。
松岡さんは「花が好きな人に見に来てもらいたい。美しく咲き、こんなにうれしいことはない」と話している。